つい食べ過ぎてしまうのは満腹中枢の異常?

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人の基本的な欲求である食欲は、脳の視床下部にある「満腹中枢」と「摂食(空腹)中枢」によってコントロールされています。満腹や「空腹を感じるメカニズムは非常に複雑ですが、その中でも大きな働きをしているのは、血液中の糖分とインスリン、レプチン、オレキシンという3つのホルモンです。
身体のエネルギーのバロメーターになっている血液中の糖分は、インスリンの働きによって身体の各細胞に運ばれています。血糖値がさがったり、インスリンの分泌が低下したりすると、身体がエネルギー不足を感じて、オレキシンという食欲亢進作用のあるホルモンを分泌します。このホルモンで空腹中枢が刺激されると、「食事がしたい!」という空腹感を感じるのです。
さて、食事をしてお腹がイッパイになると、エネルギーが吸収され血糖値が上がり、インスリンが血液中の糖分の運搬作業を再開します。このように、血糖値やインスリンの値が上昇すると今度は「満腹中枢」がこれを感知して、「おなかイッパイ!」と感じることになります。さらに、レプチンというホルモンが一部の脂肪細胞で作られ、これも満腹感を助長します。
このメカニズムが、空腹感→食事開始→満腹感→食事中止→空腹感…というループを作っているのです。
満腹一般に言われている「過食」の多くのケースでは、このメカニズムが壊れていると言うよりも、空腹でなくても無理矢理(無意識のうちに?)物を食べている状態が多いと言えるでしょう。ストレス解消のための「イライラ食い」や「気晴らし食い」などとも呼ばれています。
不安感やストレスから一時的に逃避する手段として「つい」食べてしまうもので、代理摂食と呼ばれている行為です。特に若い女性に多く見られる傾向があるようです。
まれに、食欲を抑制する働きをするレプチンが、遺伝的に作られない体質で、食欲を抑えられないというケースもあるようですが、世界でも数人しかいないようです。

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