
仕事や人間関係、毎日の生活…気づかないうちに、心にはたくさんのストレスがたまります。
「疲れたな」
「イライラするな」
と感じたとき、つい手が伸びてしまうのが甘いものやジャンクフード。
そのストレス食いが、実はメタボの大きな原因の一つかもしれません。
今回は、ストレスとメタボの関係を紐解きながら、ストレス食いを根本から断ち切るための「心のケア」方法をご紹介します。自分自身のストレスチェックをしながら、心と体の健康を取り戻しましょう。
なぜストレスがメタボリックシンドロームの引き金になるのか?
ストレスがメタボリックシンドロームの引き金になるのは、心身に及ぼす複合的な影響が原因です。

まず強いストレスを受けると、副腎から「コルチゾール」というストレスホルモンが分泌されます。コルチゾールはエネルギーを蓄えようとする働きを持ち、内臓脂肪の蓄積を促進します。また、血糖値を上昇させる作用もあり、インスリン分泌の負担が増えることでインスリン抵抗性を招きやすくなります。
さらにストレスは自律神経を乱し、交感神経が優位になることで血圧上昇や脂質代謝の異常を引き起こします。加えて、精神的な不安や緊張から過食や飲酒に走りやすく、睡眠不足も重なると食欲コントロールが一層困難になります。
これらの要因が重なり合うことで、肥満・高血圧・高血糖・脂質異常といったメタボリックシンドロームのリスクが高まるのです。
あなたの「ストレス度」をチェック!
以下の項目を読んで、自分に当てはまると思うものにチェックを入れて確認してみましょう。
ストレス度チェック(10問)
ストレス食いを防ぐ【心のケア】3つの方法

「食べたい!」という衝動を抑えるには、意志の力だけでは不十分です。根本的な心のケアをして、ストレスそのものを解消することが大切です。
1. ストレスの原因を特定する【ストレスチェック】
まずは、何が自分にとってストレスになっているのかを把握することから始めましょう。
- 日記をつける:イライラしたり、落ち込んだりしたときに、何があったかをメモしてみましょう。文字化することで今まで気がつかなかったストレス原因が見つかるかも知れません。
- 感情のラベリング:「今、私は不安を感じているんだ」「怒っているんだ」と、自分の感情に名前をつけてみてください。
自分の感情や行動を客観的に見つめ直すことで、ストレスの原因が明らかになり、具体的な対策を考えられるようになります。
2. ストレス解消法を「食べる以外」で探す
ストレスを感じたときに、食べる以外の行動で気分転換できる「代わりの行動リスト」を事前に作っておきましょう。
- 軽い運動:軽い運動であるウォーキングやストレッチは、心身のリフレッシュにとても効果的です。
まず身体面では、血流が促進されて酸素や栄養素が全身に行き渡り、筋肉の緊張や疲労物質の蓄積が和らぎます。その結果、肩こりやだるさの軽減につながります。さらに軽い有酸素運動は副交感神経を活性化し、心拍数や呼吸が整うことでリラックス効果が得られます。精神面では、運動によって脳内でセロトニンやエンドルフィンといった「幸福ホルモン」が分泌され、気分が前向きになりストレスが軽減されます。特に屋外でのウォーキングは自然光を浴びられるため、体内時計を整え睡眠の質向上にも役立ちます。 - 趣味の時間:読書や音楽鑑賞、映画鑑賞など自分が好きなことに没頭する時間は、心のストレス解消に大きく役立ちます。
好きな活動に集中することで、仕事や人間関係など日常の不安や悩みから意識を切り替えることができ、脳がリセットされる効果があります。また、読書は想像力を刺激して心を豊かにし、音楽は自律神経に働きかけて気分を落ち着かせたり高揚させたりします。映画は物語に共感することで感情の整理につながることもあります。こうした「好きなことに没頭する時間」は、自分らしさを取り戻し、ストレスを和らげる大切なセルフケアの一つといえます。 - 人と話す:友人や家族に悩みを話すことは、心の負担を和らげる有効な方法です。
人は悩みを抱え込むと頭の中で考えが堂々巡りし、不安や緊張が強まります。誰かに言葉で表現するだけでも、気持ちを整理できて「客観的にとらえる」効果が生まれます。また、信頼できる相手に共感や励ましをもらうことで、「自分は一人ではない」という安心感が得られ、孤独感や不安感が軽減されます。さらに話すことで脳内のストレスホルモンが減少し、リラックスしやすくなるともいわれています。そのため、相談という形でなくても「ただ聞いてもらう」こと自体が、心を軽くしストレス解消につながるのです。
「食べたい!」と感じたとき、このリストを見て、すぐに別の行動に移すように意識してみましょう。
3. 睡眠をしっかり確保する
睡眠不足は、ストレスを増幅させ、ストレス食いの引き金になります。
睡眠不足は心身に大きな負担を与え、ストレスを増幅させます。十分な休養が取れないと自律神経のバランスが乱れ、イライラや不安感が高まりやすくなります。また、睡眠が不足すると食欲を抑えるホルモン「レプチン」が減少し、逆に食欲を増進させる「グレリン」が増えるため、甘い物や脂っこい物を欲しやすくなります。さらに脳の理性を司る前頭葉の働きが鈍ることで「もう一口食べたい」という衝動を抑えにくくなります。その結果、ストレスを食べ物で紛らわす“ストレス食い”につながりやすく、悪循環を招くのです。
質の良い睡眠を確保することで、心身の疲れを癒し、ストレスへの抵抗力を高めることができます。
- 就寝1時間前にはスマホやPCをオフにする
- 入浴で体を温めてリラックスする
- 寝室を暗くし、静かな環境にする
まとめ
ストレスとメタボの関係は、決して無視できません。心にたまったストレスを放置すると、ストレス食いに繋がり、メタボのリスクを高めてしまいます。
今回ご紹介したストレスチェックや心のケアを実践して、食べることに頼らないストレス解消法を見つけていきましょう。心と体が軽くなれば、自然とメタボからも遠ざかっていきます。
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参考情報
- 厚生労働省:こころの健康
- 赤坂心療内科クリニック:食事とストレスの関係
- 米国国立衛生研究所(NIH):The Physiology of Stress



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